無線LANがつながりにくい、よく切れる場合

(公開:2017/8/21。 2019/6/9 修正と追記)

(この投稿では、以下の機器を無線LAN親機と言っています。1.家庭用でアクセスポイント機能を持つ無線LANルータもしくはWifiルータ 2.法人用アクセスポイント)

無線LAN(wifi)がつながりにくい、よく切れる場合には、以下のことをチェックする必要があります

1.電波が弱くないかどうか
2.電波がほかの無線LANの電波と干渉(混信)していないかどうか
3.親機の収容能力を超える多数の端末が接続されていないかどうか
4.無線LANネットワーク中に、通信時間を占有しそうな端末(子機)がないかどうか
5.妨害電波源がないかどうか(電子レンジ、コードレスホン、ワイヤレス機器)

1.電波が弱くないかどうか

電波が弱いとテレビが映らないのと同様、無線LANもつながりにくくなります。
無線親機から離れている場合は、

  • 無線親機の位置を移動する
  • 中継機を設置するか、付近に親機を増設する。メッシュWi-Fiシステムが最近話題になっていますが、統一的な規格がなく評価が確立しておりません。
  • アンテナ利得の高い親機(ハイパワーと言われているもの)または子機を検討する

 多くの無線端末がある環境、映像転送など負荷の高い使い方をしている場合は、中継器の処理能力を超えることがあります。その場合は複数の親機を設置して負荷を分散することを検討します。モバイル端末で運用することが多い環境では移動中通信が途切れないようにするためにそれぞれの親機に同じSSIDを設定することもあります。親機や中継機を多数設置による混信の影響を低減するために、法人用(海外メーカーの個人用の一部)の機器に付いている出力を減衰させる機能を用いることがあります。

2.電波がほかの無線LANの電波と干渉(混信)していないかどうか

(ほかの無線LANの電波と干渉しているか確かめるには、記事「Wifiが繋がりにくいな、と感じた時に役立つアプリ2選(その1)」に記載のAndroidスマホアプリ wifi analyserが便利です。)

無線LANの電波の周波数は2種類(2.4GHz と 5GHz)
・2.4GHz帯 の信号
  802.11 b/g/n で使う。
  国内メーカ親機で800Mbps、海外メーカ親機で1000bps(5GHz帯より低速)
  一般的なUSB一体型子機で3~400Mbps (5GHz帯より低速)
  IDの末尾には -G が付けられていることが多い。
  障害物の影響を受けにくいため遠くまで飛ぶことが多い。  
  古くから使われていること、割り当てチャンネルが少ないため混雑している。
  他の電化製品で同じ周波数帯を使っているため雑音の影響をうけることがある。
・5GHz帯 の信号
  802.11 a/n/ac で使う。
  国内メーカ親機で1733Mbps、海外メーカ親機で2167Mbps(2.4GHz帯より高速)
  一般的なUSB一体型子機で433~867Mbps (2.4GHz帯より高速)
  IDの末尾には -A が付けられていることが多い。
  障害物の影響を受けやすい。
  新しい周波数帯で割り当てチャンネルが多いため空いている。
  航空機等で使用する周波数と重なるため屋外で使用できないチャンネルがある。

干渉の影響をなくすには

  • 5GHz帯 の信号を使う 802.11ac 対応の無線親機、子機を使う。(ノートPCが対応していなければUSB端子に装着する子機を入手して取り付ける)
  • 2.4GHz帯の電波しか使えないスマホやタブレットを使っている場合は、802.11ac 対応のものを次回の購入時に検討する

2.4GHz帯しか使えない環境では
(5GHz対応の環境でない、5GHzの電波が届かない等)

  • いわゆる倍速モード(40MHz幅モード)を使わず20MHzの幅で通信するよう親機の設定を変更する
  • 比較的混信が少なくなりそうなチャネルで通信できるよう親機(中継機)の設定を手動で変更することを検討する
  • 自局の電波状態をよくする(設置場所や親機端末のアンテナ利得の工夫)
  • 中継器を設置したほうがいい場合は中継器を設置する

3.親機の収容能力を超える多数の端末が接続されていないかどうか

 人間が一度に大勢の言葉を聞き分けられないのと同様、親機も多数の端末と同時に通信することはできません(最近の一部高性能機を除いて)。したがって一つの端末がwifi通信している間は、ほかの端末は通信を待たなければなりません。
一つの親機に多数の端末が接続すると、それぞれの端末の待ち時間は長くなります。さらに、親機にも信号処理能力が優れているものもあれば、劣っているものもあり、高速高性能を謳っている機種の中でも、複数の端末と同時通信すると処理に時間がかかって途端に能力が落ちてしまうものがあります。遅くなったり、つながりにくくなったりします。会社などで家庭用親機を使わざるを得ない場合は、機種選定に注意しましょう。メーカーのカタログにCPUのクロック周波数とコア数が記載されているものがありますが、それぞれ高いものが処理能力が高いです。
 現時点で最も普及している IEEE802.11ac 規格の無線LAN装置(親機、子機、端末、中継器等)には、MU-MIMO技術が導入されています。MU-MIMO対応機器は、複数のアンテナを持ち、同時に複数の機器へデータを送信できるため、通信待ち時間が抑えられるので、搭載機種を選ぶと良いでしょう。IEEE802.11ac 規格には、その他ビットフォーミングなど優れた機能が盛り込まれております。MU-MIMO、ビットフォーミングとも、それぞれ親機側(中継器側)と子機(端末)側の両方で対応していることが必要です。
 その他、複数の親機を設置して負荷を分散することも検討しましょう。親機にどの端末を割り当てるか決めておけば、過負荷になって遅くなることはなくなるでしょう。その際親機の送信チャンネルが重複しないことだけ気を付けてください。
 一般家庭では先ほどの2種類の周波数帯の電波を出力できる親機があります。そういった装置では2.4GHz帯と5GHz帯に接続する端末を振り分けて負荷分散をすることができます。5GHz帯を2つの帯域に分けて3つの電波が出せるトライバンドの機種もあり、その場合3つの周波数帯に接続する端末を振り分けることができます。いずれにしても周囲の電波環境と各周波数帯の電波の性質を生かして端末を振り分けることが大切です。

  • 処理能力の高い高性能な親機を使うか、複数の親機の設置による負荷分散を検討しましょう
  • MU-MIMO等に対応した機器の導入を検討しましょう
  • (家庭用を想定したとき)複数の周波数帯に対応した装置を導入し、周波数帯ごとに接続端末を分散して割り当ててみましょう

4.無線LANネットワーク中に、通信時間を占有しそうな端末がないかどうか

親機に複数の端末が接続されている時、通信パフォーマンスは、一番遅くて接続状態の悪い端末に左右される
たとえば、親機に複数の端末がつながっていて、親機のすぐそばにある端末Aと、辛うじて親機とつながる端末Bがあったとしますと、親機は端末Bとの通信に悪戦苦闘します。通信しやすいように速度を落とします。また通信の再試行を繰り返します。そんなこんなで、親機と端末Bとの通信に多くの時間を占有してしまいます。その間、端末Aは親機と通信できず、ネットに接続できません。通信パフォーマンスは、一番遅くて接続状態の悪い端末に影響されて、全体のパフォーマンスが落ちてしまうんです。
親機に複数の端末を接続する場合には、通信状態の悪い端末を排除するか、その端末が状態よく通信できるよう対策をする必要があります。
もちろん無線LANネットワークをMU-MIMO、ビットフォーミング対応機器で構成すれば、原理上これらの現象は緩和されると思われます。

  • 通信状態の悪い端末(ボトルネック)を解消するようネットワークを設計しましょう
  • wifiネットワークをMU-MIMO、ビットフォーミング対応機器で構成してみましょう

5.妨害電波源については、言うまでもありません。前記2.の電波干渉同様、2.4GHz帯の電波をwifiに用いていることがほとんどですから、干渉の少ない、5GHz帯の電波を用いることをご検討ください。

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